泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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陰茎持続勃起症(priapism)その1

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ある朝、33歳のサラリーマン男性が、私の診療所に受診してきました。
症状を伺ってみると
「昨日の夜9時から勃起が続いていて、ペニスに痛みがあります。何とかしてください。」という訴え。

さっそく診察をすると確かに、ペニスは腹壁に対し90度に直立し、正に勃起状態です。
そこでまず陰茎を触診してみます。
亀頭に硬さはなく、温かみもなく、柔らかい状態です。
しかし陰茎の柱(さお=体部)は硬く、疼痛を訴えています。

このことから、私は「陰茎持続勃起症」の疑いがあると判断し、某大学病院に連絡しますと、
「受け入れるから、急いで患者さんをよこしてください」との了解を得ました。
そこで簡単な医療情報提供書を作成し、患者さんを大学病院に送ったのでした。

「陰茎持続勃起症」といっても、初めて耳にする方が多いかもしれませんね。
そこで今回はこの陰茎持続勃起症について、少し詳しくお話してみましょう。

陰茎持続勃起症は,日常の泌尿器科救急疾患では多くはありませんが、的確な診断と治療を早急に求められる疾患です。また外性器という肉体的、心理的な特殊性(形態、性機能)を考えて診察する必要があります。
しかも男性器特有のことですので、女性には理解し難い病気(トラブル)であり、これが原因で離婚したり、婚約解消になるケースもあります。

陰茎持続勃起症(プリアピスムpriapism)とは,性欲や興奮と無関係に4~6時間以上勃起が持続し、痛みを伴う状態です。
ではなぜ興奮とは無関係に勃起が持続してしまうのでしょうか?
持続勃起症には、陰茎の血液の流入と深い関係があるのです。


2010年05月24日

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